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農業用水

写真 農業用水 本県の年降水量は3,050mmを超え、多雨ですが、梅雨期や台風期に集中するため季節的な偏りが大きく、干ばつも発生します。安定的な畑地営農のためには、水源の確保が不可欠です。
 本県には約30,300ha(令和2年7月)の畑地が広がっていますが、そのほとんどが火山灰土壌の特殊土壌地帯のうえに、多くの畑作地帯は安定した水源を持たず、安定的な畑作経営が困難な状況にあります。
 その一方で、畑地かんがい施設が整備された地区では、農業用水の安定供給により、施設野菜や花、茶などの水を活用した収益性の高い作物への転換が進み、全国有数の優良農業地帯となっています。
 大規模畑作の産地づくりや施設園芸の展開、新品目の導入を進め、本県の食料供給基地としての地位をさらに高めるため、県央から県西部に広がる広大な畑地帯では、畑地かんがい施設などの整備をすすめています。

 
畑地かんがい施設整備の効果
 雨水に頼った農業を営む地域も、農業用水を確保することにより、水を多量に必要とする様々な農作物の栽培も可能となり、多様な農作物の導入など生産性の高い農業が実現します。
 また、日照りによる干害、霜による被害を防止するなど、安定した農作物の栽培により収益性の高い農業が可能となります。
写真 天神ダム
天神ダム
水源確保のためのダム
 
 
写真 ひでりの被害をうけた里芋 写真 農業用水の供給
 雨水に頼り干ばつ(ひでり)の被害をうけた里芋    安定的な農業用水の供給
 

〜参考〜
 日本で使用される年間水量(約835億立方メートル)のうち、農業用水が約3分の2を占めています。農業用水の約94%が稲作などに用いられる「かんがい用水」です。

 
農業用水の歴史

イメージ 農業用水  人々は、水田稲作が盛んとなっていった弥生時代から、農業用水を確保しようと今日に至る約2000年にわたり、その開発と保全に尽くしてきました。


グラフ 全国の水の使用量


 水不足の際には、生活用水に転用されています。農業用水の不足は、農家にとっても死活問題ですが、番水(時間や順番を決めて排水する方法)などで節水に努め、上水道への協力も行っています。
   
 図は、国土交通省「令和3年版 日本の水資源の現況について本編」より
   

イメージ 農業用水 供給と供出農業用水の特徴

  •  農業用水は他と違い、雨水を有効に利用し農業に必要な水を確保しています。その際、不足分に限って取水していますが、大部分は使用後に川へ戻され下流で再利用されています。

その他の利用

  • 防火のための水
  • 流雪のための水
  • 美しい景観を形成する水
  • 家庭から排水される生活雑排水を薄め、自然水に近づける水

※ 生活に密着した「地域の水」として活用されています。

 
自然界の水浄化システム
 農業用水の大きな特徴は、河川の上流で取水され使用後、その大部分が河川や地下水に還元され、下流で再び農業用水や生活用水などに利用されていることです。
 また、水田や用水路を通るうちに、ろ過されたり酸素を取り込んだりして水質も浄化されていくのです。
 

 
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