みやざきひむか学
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伝承活動
 
たかちほちょうりつ たかちほ中学校の生徒の声
 正直言って最初は「ただ太鼓と笛に合わせて人が歩く」不思議なものにしか見えませんでした。
 神楽の時期が近づくと、一ヶ月前から練習が始まります。初心者の頃は、鈴がとても重くて腕が疲れ、単調なリズムから睡魔に襲われ、辛くていやだと思った時もありました。一緒に練習する友達と励ましあってなんとかやめずに頑張れました。太鼓に合わせて舞う奉仕者(ほしゃどん)の、個性ある腕の使い方や声の質、何番でも舞える体力など、様々な神楽の魅力に引きつけられました。
 僕にとって神楽を舞うことの喜びは、一人の奉仕者(ほしゃどん)としての自分の存在を感じられることと、伝統として全国から注目されている高千穂神楽を自分が舞うことができるということです。
 
たかちほちょう あさかべちく公民館長 かいこういちろうしのお話
写真 かぐら 高千穂では神楽の舞い手を奉仕者と書いて「ほしゃどん」と呼びます。私もその一員です。私の神楽暦は50年になります。高千穂の夜神楽は、長い伝統があり、それぞれ村の氏神様を中心として行われます。その年の五穀豊穣・豊作を神に感謝申し上げ、同時に翌年の豊作を祈願するものです。三十三番の神楽を、夕方から翌日まで夜を徹して舞い明かします。
 昭和45年に文化庁が、浅ヶ部の夜神楽を調査し、それをもとに、高千穂全集落の夜神楽が昭和53年に国指定重要無形民俗文化財に指定されました。誇りと責任を感じながら、地域の皆さんと協力して、昔の姿をそのまま保存・伝承するように努力しています。
 一時期、深刻な後継者不足に悩みましたが、昭和55年5月に西ヨーロッパ四カ国で高千穂夜神楽の公演を行うことができ、これを契機にその悩みも解消し、安心しているところです。私も中学校の神楽部を指導した経験がありますし、保存会でも小学生の育成をするなどの活動をしています。
 夜神楽そのものが素晴らしいのはもちろんですが、その保存と伝承の活動をとおして、地域の和、そして人と人との心の交流と和が生まれることも、大変素晴らしいことだと考えています。
 


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