■ 平成17年度主題研究
研究主題
主体的に学習に取り組む児童の育成
〜少人数学級のよさを生かした算数科の指導の工夫を通して〜
主題設定の理由
ア 時代や社会の要請から
 現代社会は,科学技術の急速な進歩,環境破壊の深刻化,情報化,国際化,価値観の多様化など各方面において急激に変動し続けている。生活環境も今後一層めまぐるしく変わっていくことが予想される社会において,これからの学校教育では,自ら学ぶ意欲を持ち,社会の変化に主体的に対応できる人間性豊かな児童の育成が望まれる。また、学力低下を危惧する声も聞かれ,児童の学力向上についての関心が高まっている。
 そこで学校教育では,ゆとりある教育活動を展開する中で基礎的な知識や技術を身に付け,児童一人一人が個性や創造力を発揮し主体的に生きていくことができる資質や能力「生きる力」の育成を図っていくことが求められる。
イ 本校の教育目標から
 本校では,「自ら学び,たくましく生きる心豊かな児童の育成」を教育目標としている。この目標を達成するためには,一人一人の児童が,主体的に学習に取り組む中で,基礎的な学力を高め,自ら工夫を重ねながら解決していく力を育てなければならない。そのためには家庭や地域との連携を図りつつ,児童の実態を踏まえた教育活動を展開していくことが求められる。
 また本校においては平成14年度から児童数の減少に伴う学級編成の複式化が進行し,本年度は完全複式となった。そこで,重点目標に「複式指導の充実」をかかげ,複式学級におけるより効果的な学習指導法の確立や,複式学級に対応した学習環境の整備に努めてきているが,本年度もそれらをさらに充実させていく必要がある。
ウ 研究のあゆみから
 昨年度は複式学級における国語科の指導を中心に研究をすすめてきた。一作年度作成した算数科のガイド学習を国語科にも応用し,少人数学級のよさを生かした子嚢の研究に力を入れた。その結果,読解力や表現力の向上がみられた。また漢字検定で多数の合格者を出したり国語に関する各種のコンクールで多くの児童が入選するなど一定の成果がみられた。算数科については,一昨年度研究をしてきており,ある程度の学力向上も見られ,指導過程や学習環境も整備されている。今年度完全複式になるにあたり,一昨年度作成した「ガイド学習の手引き」を工夫改善し,更なる基礎基本の定着を図りたい。
エ 児童の実態から
 本校は全校児童数25名の小規模校で,全学年,複式学級である。少人数であるがゆえに学習や生活の中で一人一人の児童が活躍する機会が多い。また,縦割りの活動や遊びを多く経験しており,そういった活動の中で自然に社会性が養われている。教師も一人一人に目が行き届き,可能性やよさを伸ばしたり,個に応じた支援を行ったりしやすい。一方,少人数であるがゆえに,多人数で話し合う機会が少ないため,話し合いで自分の考えを伝えたり,友達の意見に対して自分の考えを述べたりすることが苦手である。また,自ら創意工夫をしたり,多様な方法で取り組んだりすることが少ない。

これらア,イ,ウ,エの視点に立ち,本主題を設定した。
研究仮説
仮説1
 学習の過程において,少人数学級のよさを生かし,一人一人の実態に応じた指導の工夫をすれば,問題解決能力を高めることができ,主体的に学習に取り組む児童を育てられるであろう。

仮説2
 基礎的な学力を定着させる指導の工夫や充実した学級環境づくりに努めれば,主体的に学習に取り組む児童を育てられるであろう。

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