(川南小田中教諭撮影:平成16年2月21日)
天龍梅とは、当地の梅の形状が「龍が地に伏し、雲を呼び風を起こして、天に昇ろうとする姿」に似ているところから命名されたものです。この天龍梅は、高岡町の月知梅、新富町の座論梅とならんで、県下三名梅と呼ばれています。
もともとこの梅は、現在の川南町西別府の川南古墳の場所にありました。明治34(1901)年ごろ、この地の地主・押川利作が、梅の木の下を掘ったところ、棺や土器が出土しました。そのため、この木は、古墳の神饌木(しんせんぼく)として植えられたのではないかと考えられています。
明治41(1908)年、暴風雨によって梅の木は倒れますが、倒れたところから次々に根や枝を伸ばし、大正の初めころには、四方に広がっていきました。このころになると、川南だけでなく、近隣の町からも見物人が訪れるほどでした。そして、大正6(1917)年、地元の有志によって、天龍梅と名前がつけられたのです。
戦後、一時、梅の木は荒れてしまっていましたが、中央公園に移植する計画がもち上がり、昭和32(1957)年2月に、原型をかたどって、現在の場所に移植されました。これを記念して、毎年2月11日には、天龍梅祭りが行われます。
また、天龍梅は、平成8〜9(1997〜98)年ごろに、テレビアニメ『サザエさん』のオープニングで、月知梅、座論梅とともに、日向の三名梅として全国に向けて紹介されました。
(現地案内板を参考にしました。)