本校の研究


表現力豊かな美々地っ子の育成 〜「伝え合う力」を高める国語科の授業づくりをめざして〜

 平成14年度から完全実施された新学習指導要領では、児童に基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせるとともに、「生きる力」をはぐくむことが基本的なねらいとされた。その中で、小学校国語科においては、互いの立場や考えを尊重しながら言語を通して、適切に表現したり理解したりする能力の育成を重視して、「伝え合う力を高める」ことが目標に位置づけられた。
 学習指導要領解説で述べてあるとおり、「国語を適切に表現する能力」と「国語を正確に理解する能力」は交互に表裏一体的な関係であり、連続的かつ同時的に機能するものである。また、このような言語能力は、一人ひとりの児童が言語の主体的な使い手として、相手、目的や意図、多様な場面や状況などに応じて、適切に表現したり正確に理解したりする、日常生活に生きて働く力として育成することが大切である。
 つまり、「生きる力」をはぐくみささえる上での基本技能である「言語能力」は、知識として身につけているだけでなく、音声言語、文字言語を問わず、他者との伝え合いが成立してはじめてその価値を発揮するものであるということに他ならない。
 では、本校児童の実態はどうか。一昨年度末の職員アンケートの結果、次のような力の育成が必要であることが共通理解されて、本研究が始まった。
 ○ 目の前の事象や発問に対し、自分の考えをまとめ、他に向かって堂々と発言する力。
 ○ 集団の中で自分の意思や意見をはっきりと主張する力。
 ○ 友達の発言や行動に対して自分の考えをもち意見することができる力。
 つまり、相手、目的や意図、多様な場面や状況などに応じて、適切に表現したり正確に理解したりする、日常生活に生きて働く力としての言語能力については指導の余地があるといえるのである。
 そこで本研究では、国語科の学習指導を基盤としながら、児童に「伝え合う力」を身につけさせることをねらいとし、基礎的事項の確実な定着と話し合いを核とした授業づくりの2つの視点を設け実践検証することとした。その結果、児童自身に考えを伝える力が付いてきているという実感が生まれ、積極的に発言しようとする姿が見られるようになってきている。しかし、授業を離れた場面や状況によって、自分の意見がもてなかったり、自信をもって発表することができなかったりする児童も多い。どのような場所や場面・状況でも自分の意見を堂々と発表できる力を身につけさせるために、本年度も継続して、児童に「伝え合う力」を高めるための具体的な指導方法や手立ての在り方に視点をおき、実践検証することとした。
 この研究を通し、本校の教育目標である、「楽しい学校生活のもと強く明るく将来に向かって生き抜くことをめざす児童の育成」を具現化していきたい。

研究の概要

@ 研究の目標
 国語科学習において、「伝え合う力」を支える、基礎的事項と基本的能力を確実に身につけさせるための授業づくりを追究する。

A 研究の仮説
 国語科の学習において、児童の実態を十分に把握した上で、基礎的事項をどのように授業に位置づけ指導すべきかを明確にし、且つ、学習課題を解決するための話合い(討論)の場面における発問を工夫すれば、基本的能力が身につき、「伝え合う力」が向上するであろう。

B 研究の内容
 ア 到達度シートの工夫改善と活用
 イ 授業における基礎的事項の指導の位置づけ
 ウ 基本的能力を高める指導の充実
 エ 伝え合いを支える学年部の工夫

C 研究の組織及び研究の流れ
 ア 全体会
  (ア) 理論研究会
     ・ 到達目標の設定の在り方と設定方法の研究
     ・ 児童の実態把握方法の研究
     ・ 先行研究の読み合わせ
  (イ) 授業研究会
     ・ 理論研をもとにした授業づくりの検討
     ・ 授業での実践検証
     ・ 検証結果をもとにした授業の工夫改善
  (ウ) 実践報告会
     ・ 理論研及び授業研をもとにした各学年部での実践研究