校長のきまぐれエッセー3月

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 平成28年3月30日(水) [H27 bT8]
     「お弁当にまつわるいい話」

 本校を本年度卒業するある生徒の高校生活で最後となるお弁当の包みの中に、母親からの手紙がしたためてあり、その内容やその生徒と母親との間のやり取りがツイッター上で大変話題となっているようです。
 母親からの手紙には、「勇貴へ とうとう高校最後の弁当になってしまいました。数々のお弁当、食べてくれてありがとう。お弁当のことでいろいろな会話も出来ました。次、いつ勇貴の為に弁当を作るかわからないので、この弁当味わって食べてください。長い間の高校生活楽しかったね。残り少ない時間、友人と大切な時間を過ごしてね。」とありました。
 勇貴君は、お弁当を包みから取り出すときに手紙が入っていることには気付いていましたが、こんなシチュエーションだからきっと泣ける内容の手紙だろうとの予感があったのでまずは読まずに弁当を食べたのだそうです。
 食べ終わってから友達にも見せましたが、その時は友だちの前であったのでついウルッときたのだけれど涙は我慢したのだそうです(友だちがいなかったら泣いていたかもしれないと言っています)。
 友だちから「こんなことは滅多にないことだから記念に写真を撮っておいたら」といわれたこともあり、とっさに写真を撮って、母親への感謝の意を込めてツイッター上に投稿しました。
 その日、家に帰ったときは、つい母親と話すのも気恥ずかしくて、空の弁当箱を渡していただけでした。
 でも実際は、母親からもらった手紙の後ろに、ちゃんと「朝早くから起きて弁当作りをしてくれてありがとう。また作ってください。本当に3年間ありがとう。」と書いて弁当の包みに入れていて、それを後になって母親は発見したのでした。
 発見が遅くなったのは、母親の手紙の裏に書いて返しているので、母親は子どもが手紙を見ずに返していたと勘違いしていたのでした。
 最初母親は、せっかく親の思いを書いたのに、返事もありがとうの言葉もなくて、「子どもなんてこんなもんよね。」と自分に言い聞かせていたのだそうです。
 しかし、そんな文章を発見して読んだ母親は、涙が止まらなくて思わず台所でワーッと泣いたということでした。
 「いっつも同じおかずじゃないか。」とか「冷えて固まったおかずはおいしくない」などと、保護者の方の苦労も知らずに不満をたれる者もおりますが、いざとなると在学中綿々と休むことなく作ってもらった弁当には大きな思い出が詰まっていて、感謝しない生徒はいません。
 ところで、この号をもって本年度のブログは最終回となります。お付き合いいただいた皆様には感謝いたします。次年度もよろしくお願いいたします。
 平成28年3月23日(水) [H27 bT7]
     「高校一般入試合格発表のころ」

 平成28年度新入学生徒のための「一般入学者選抜検査」が、3月8日(火)と9日(水)に行われました。
 本校は、全日制においては先に行われた「推薦入学者選抜検査」で既に4割弱の生徒の合格者を出していますので、一般入学者定員はその残りの6割でした。
 おかげさまで、この「一般」の倍率たるや1.36倍と県内で2番目の高さを誇り、本校への入学希望者の多さを実感させていただきました。
 また定時制においても、多くの受検者がおりました。
 先週の18日(金)にそれら試験の合格者をまとめて(「推薦」+「一般」入試、「全日」+「定時」制)発表を行ったところです。
 この日のきっかり9時に合格者一覧が掲示されましたが、「合格」を自分の目で確かめようと集まった約200名程度の生徒や保護者の皆さんで本校ピロティーの掲示板前は大賑わいでした。
 「合格!合格!」と歓喜をあらわにする生徒、嬉しさで涙ぐむ保護者の皆さんに混じって、「ダメだったぁ!」とがっくり肩を落とす生徒たちもいて、悲喜こもごもといった様子がくっきりでした。
 合格した生徒は、本校据え付けの公衆電話で保護者や先生や友達に連絡をとったりする光景もみられました。
 その場に行けなかった保護者の方は、自分の子どもからの連絡をとても心配しながら心待ちにしていたものと推察できます。
 さて本校は全日制・定時制を設置していますが、全日制は定員すべてを合格者として発表できましたが、今後は定時制の「二次募集」や「転入学及び編入学募集」による学力検査(24日)を控えています。
 その定時制の合格発表については、年度末ということもあり早めに25日に行う予定です。
 そのあと合格者は、全日制が28日(月)に、定時制が29日(火)に、合格者のための入学説明会を開催の予定としており、年度末まで気の抜けない学校行事が続いていきます。
 平成28年3月16日(水) [H27 bT6]
     「国際ボランティア部の活動から」

 私の知り合いで、「アジアヒ素ネットワーク」というNPOの方がおります。
 バングラデシュで、井戸水にヒ素成分が多く含まれているのを知らずに飲用している現地の村人が「土呂久(トロク)」ヒ素中毒と同じ症状で苦しんでいるのですが、この団体は、この状況を改善するために、医療支援や正しい井戸の掘り方、水中成分分析の仕方などを教えており、宮崎大学関係者、宮崎環境化学協会OBなどが主なメンバーです。
 バングラデシュでは、多くの箇所に井戸掘りのための事務所を構えますが、現地スタッフの文具が圧倒的に足りないそうです。
 また山間部の学校の子どもたちにも文具の寄付活動も併せておこなっているため、本校の国際ボランティア部にお願いして、職員や生徒たちから不要になった文具類を拠出してもらい、その団体へ寄贈することとしました。
 ここで言う文具とは、使わなくなったボールペン・マーカー・マジック・短い鉛筆・色鉛筆・小さくなった消しゴム・コンパス・三角定規・ものさし・使いかけのスティックのり・使わなくなったソーラー電池付電卓などです。
現地の子どもたちは、短い鉛筆でも竹をつないで器用に使うそうです。
 また、電気が通じていない地区が多いため、電池を使わないソーラー電池式の電卓が最適であるそうです。
 2月8日からの約2週間で、鉛筆101本、赤ペン39本、マッキー27本、蛍光ペン25本、黒ボールペン109本、青ボールペン17本、緑ボールペン2本、修正液4本、多色ボールペン14本、カラーペン40本、シャープペンシル27本、色鉛筆12本、色鉛筆12色セット93セット、クーピー12本、色クレヨンセット2セット、色ペンセット1セット、消しゴム37個、コンパス32本、計算機3機、目玉クリップ30個、定規7本、メモ帳6セット、のり3本、レターセット4セット、鉛筆キャップ3個、定規2本、ホッチキス1本、はさみ1丁、スタンプ台1台の、合計479個の協力がありました。
 去る3月4日(金)に、JRC部の2年生4名(機械科:黒木瑞樹君、生産システム科:長嶺響君・荒木陸人君、建築科:川越大輔君)が、顧問の眞武先生と共に事務所を訪れ、文房具を届けました。
 代表の下津さん達からは、「有難い、宮崎工業高校の生徒たちが協力してくれ心強い。」と喜んでいただいたそうです。
 副部長の長嶺君も「自分たちが集めた文房具が、バングラディッシュで役に立つと思うと嬉しい。これからも引き続き自分たちにできる国際貢献・地域貢献を実践していきたい。」と語ったそうです。
 本校には、このような部活動を通して確実に成長している生徒たちがたくさんおります。 
 平成28年3月10日(木) [H27 bT5]
     「県内工業高校へ3Dプリンタを寄贈された嶋廻様の想いに応える」

 平成26年9月16日に、元県職員の嶋廻輝雄さんが、宮崎県内の工業高校生の技能向上に役立ててもらおうと、最新型3Dプリンター11台やパソコン7台(計約800万円相当)を県内の工業高校及び工業学科設置の7校に贈られ、新聞紙上でも話題となりました。
 寄贈いただいてから1年以上が経ちましたが、3Dプリンタは、島廻様の御意思に沿い大変有効に利活用させていただき、ものづくりの成果物も多くなり工業教育に大変役立っています。
 そこで、1月29日(金)に嶋廻様のご自宅を訪ね、県内の工業高校におけるその成果をまとめたものを持参し、御報告とあらためて感謝の意を表してきました。
 3Dプリンタは文字通り、コンピュータ上で作った3Dデータを設計図として、その断面形状を熱で融解した樹脂を少しずつ積み重ねて積層していくことで立体物を作成するものですが、専門科目である「工業実習」、「課題研究」等に加え、工業技術系の部活動においても、その特性である利点を生かした構造物やパーツをつくることに大変役立っています。
 「工業実習」、「課題研究」といった授業においては、紙面上の教材を立体造形物として実際に3Dプリンタで実体化・可視化することで、三次元で物体を捉えることができるようになり、生徒の興味や理解度を高めることができています。
 また、ロボット、マイコンカー等を製作している技術系部活動においては、例えばパーツ製作において、従来の金属材料から樹脂に変わったことで軽量化が図れ、薄いものにも失敗無く製作できるということ、また作り直しが簡単なため試作の簡易化にも役立っているなど飛躍的にものづくりの環境が改善されました。
 3Dプリンタは、製造業を中心に建築・医療・教育・航空宇宙・先端研究など幅広い分野でも普及していることを鑑みれば、最先端「モノづくり教育ツール」が各学校に配備されていることで、本県の工業教育のレベルアップに確実に繋がっています。
 嶋廻様のように、世界の中の日本というような大きな視点で「ものづくり」を捉え、今後の技術や技能教育には、3Dプリンタのようなツールは欠かせないとの強い信念のもと実現したものでした。
 3Dプリンタにつきましては今後も大切に利活用させていただき、工業の専門性を深化させ、産業社会の中核となる生徒を育ててまいりたいと考えています。
 平成28年3月4日(金) [H27 bT4]
     「平成27年度本校全日・定時制卒業式について〜そのA」

 (bT3号のつづき)
 次いで、定時制代表の長田翔太君の答辞には、「外は真っ暗、夜の教室に、ある者は朝から夕方まで汗水流して働きくたくたの体に鞭打って登校するのです。またある者はこれまで背負ってきた挫折感、傷ついた心に包帯を巻くようにして教室に入るのです。一人一人が重い体と心を背負いながらとぼとぼと校門の坂を上った日々のなか、私たちは素晴らしい仲間とともに少しずつ成長していきました。ここでたくさんの仲間や先生たちと接するうちに自分の将来を真剣に考えられるようになりました。」とありました。
 定時制に通う生徒たちの胸の内を代弁し吐露しつつも、おかれている状況を跳ね除け、勉学等に励みこの上ない「卒業」の二文字を勝ち取った喜びのほどがよくわかる内容でした。
 また、「今日の日を迎えることができたのは、私たちを励まし支え続けてくださった先生方、手を取り合い一緒に歩いた仲間たち、理解と協力を惜しまず支援してくださった雇用主の方々、そして家族など数えきれないほどの多くの方々のお蔭です。本当にありがとうございました。」と、自分一人だけの力だけではなく多くの方々の支えのおかげと結んでいます。
 式のあとは、今度はクラス独自での進行による茶話会などが行われましたが、なかなか皆別れがたく、午後3時近くまでというところもありました。
 各クラスでは、生徒一人一人がこれまでの思いや今後へ向けての抱負など述べたものと思いますが、泣きじゃくっていた生徒もいたようです。
 もちろん、担任やクラスを支えてきた職員も挨拶をし、立派に育ってくれて進路を決めた生徒たちを前に思わず涙する職員も多くいたということでした。
 嬉しかったのは、生徒たちから「学校が楽しかった」「この学校で良かった」「このクラスの仲間で良かった」「この先生たちで良かった」などという言葉を聞くにつけ、教師は「この仕事に就いていて良かった」と思えるのでした。
 3年担任にとっては、子どもたちの進路を決定し、高校の最終を飾る卒業という式典に臨めることそのものが栄誉なことです。
 もちろん担任を支える副担人や学科職員あるいは進路指導部、学年団所属の職員など実に多くの職員がこの日のために教育に専念してきたとも言えます。
 平成28年3月3日(木) [H27 bT3]
     「平成27年度本校全日・定時制卒業式について〜その@」

 学び舎に注ぐ春の光に校庭の木々が新しい芽を膨らます佳きころの3月1日、多数のご来賓の方々のご臨席のもと、本校の第六十八回卒業式(全日・定時制合同)を、盛大に挙行しました。
 卒業証書を手にしたのは全日制課程278名、定時制課程23名の計301名であり、本校での修業課程を修了した喜びとこれからの新生活への期待を胸に、それぞれの進路へと旅立ちますが、この門出に当たり心から幸多かれと祈っています。
 保護者の皆様にとっても、幾多の試練に耐えて立派に成長した我が子の姿を、あらためて目の前にし、感慨もひとしおのことと拝察した次第です。
 式典は、全体的にスムーズで厳かなうちに終えることができましたが、ご来賓の皆様からも「いい式典でしたね」と言っていただけました。
 中でも、卒業生からの「答辞」は、列席したすべての皆さんが感動したものであったので、少しその内容に触れ紹介しておきます。
 まずは、全日制代表の横山諒君の答辞には、「先生方には三年間お世話になりありがとうございました。時に素直になれず、自分勝手に反発することもあって、いろいろとご面倒をおかけしましたが、先生方のお蔭でこの日を迎えることができました。これからもよろしくお願いいたします。また、ここまで育ててくれた両親には感謝してもしきれない思いがあります。母は、毎朝三年間弁当を作って送り出してくれたこと、自分の実力が足りず出場することのない大会に何も言わずに送迎してくれたこと、これが最後と思って臨んだ試合で勝った時にとても喜んでくれたこと、苦しい時ただそばにいて話を聞いてくれたそんなお父さん、お母さんの子どもでいられたことが私にとっての誇りです。」とありました。
 もちろんクラスの仲間との助け合い、支えあい、励ましあいなど友情にも触れるなど多くの関わってきた方々への想いや感謝を述べていました。
 また、「専門技術の立場から、誰かのためにできること、今なすべきことを自らに問い、社会全体を見渡しながら問題を解決できる人になるために、私たちは主体的に努力を続け、地道に歩んでいく決意でいます。」と大変崇高な考え方を示してくれ頼もしく感じたところです。
 (そのAにつづく)