校長のきまぐれエッセー5月

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平成27年5月29日(金) [H27 bP1]
     「高校総体を前にして」

 5月30日(土)から始まる高校総体に出場する生徒たちと、県内に1校しかない水球部の県外での九州大会予選大会出場選手の壮行式を27日(水)の午後に行いました。
 生徒たちは先々週に中間試験も終了し、ようやく思いっきり総体に向けて取り組めるようになり、この壮行式をもって新たに本気スイッチが入ったようです。
 式では、挨拶をしながら高いところから見せてもらいましたが、体育館に選手たちのカラフルなユニフォームが並び実に壮観でした。
 晴れ晴れしたという言葉がありますが、生徒たちの顔を見ていてこれから戦いに出るぞという意気込みと、頼もしさも感じたところです。
 本校はスポーツも盛んで、総体に向けては、陸上競技、水球、バスケットボール、バレーボール、卓球、ソフトテニス、テニス、サッカー、ラグビーフットボール、ソフトボール、ハンドボール、レスリング、柔道、剣道、弓道、バトミントン、馬術、カヌー、自転車、水泳、なぎなたなど実に多くの種目に出場します。
 式では、それぞれのキャプテンが総体に向けての夢や希望、意気込みなどを語ってくれましたので以下に紹介してみましょう。
 「チームとして一戦一戦を大切にして何位以上を目指すぞ」、「これまで負けが多かったのでその悔しさをバネに頑張るぞ」、「昨年度に負けた○○高校には負けない」、「今まで練習してきた成果を思う存分出し切りたい」、「一人一人がしっかり気合を持って臨む」、「素晴らしいプレーを見せてみんなに感動を与えたい」、「何が何でも優勝して全国インターハイを目指すぞ」などですが、更にほとんどのキャプテンがこれまで指導いただいた監督の先生や保護者の皆さまへの感謝の言葉をしっかり述べてくれたことは嬉しいことでした。
 また、レギュラーとしてベンチに入ることのできないほかの選手の分まで頑張ってきてほしいし、日頃から給水だったりコーンの準備をしてもらったりしたマネージャーその他応援いただいている方々すべてにあらためて感謝してほしいと思います。
 「宮崎工業(ミヤコー)頑張れ」と強く応援していきたいと思います。
平成27年5月27日(水) [H27 bP0]
     「あらためて日本のものづくりについて」

 ある機会に「日本のモノづくり文化論」(国立科学博物館産業技術史資料情報センター長 鈴木一義氏)と題して講演会がありましたので、工業教育との関連もあることと捉えて要点を紹介しておきましょう。
 例えば家電製品の売れ行きに関して、日本製品が世界的には韓国製品などに押されて苦戦している実態があるものの、日本のモノづくりそのものはまだまだ世界から注目されており、現在では海外で日本のモノづくりが紹介されるとき、メイドインジャパンではなく「MONODUKURI(ものづくり)」でも通じるのだそうです。
 白磁器がチャイナと呼ばれるように、漆(うるし)はジャパンと呼ばれ、さらに黒く輝く色をジャパンブラックと言ってもてはやされ、古くはマリーアントワネットのおまる(トイレ)の注文がくるほどであったそうで、さらにはヨーロッパで生まれたピアノが黒いのはこの漆の黒を模していると言われています。
 日本のモノづくりのすばらしさは枚挙にいとまがないところですが、以下に二つほどエピソードを紹介しておきます。
 法隆寺の五重塔は、現在でいうところの耐震構造を十分に備えた世界最古の柔構造を持った建造物として知られ、日本の建築技術の高さを物語っているのですが、ちなみにスカイツリーもこの五重塔と同じ構造を取り入れているそうです。
 大正時代に自転車にリヤカーをつないで物を運んでいた時代に、自転車にガソリンエンジンを搭載するというアイディアが国産三輪自動車の登場につながりました。高級車から大衆車が生まれた欧米に対して、日本はこのような貨物軽自動車から大衆車が生まれていいき、現在は国内自動車メーカー8社にまでなっています(一つの国にこれだけの数のメーカーが存在していることは珍しく、独自のオンリーワン路線を持ち互いに成長し世界のトップ30にすべて入っています)。
 このような日本のモノづくりが育った背景についてですが、文明の発達には必ず数学の発達が伴っており、日本には「和算」などというものがあって、「読み書きそろばんは世渡りの三芸」と言われるような知識の大衆化が国全体の教育や文化のレベルを支えていたという風土がありました。
 日本人のモノづくりには、観るものを魅了する美意識、他を尊重する価値観、相手を気遣いもてなす心、もったいないという精神などが溢れていることも特徴です。
 日本のモノづくりには、「用の美」(実用性の中に美しさがあるという意味)が存在すると言われ、モノづくりへの「こだわり」が「ひいき」に育てられ、「らしさ」となってきたと話を締められました。
平成27年5月20日(水) [H27 bX]
     「子育てのヒント」

 多くの子育て論があり著名な教育学者の著書や講演などからも学ぶことはできますが、職業という視点に立つと、上司や先輩が新入社員や後輩を育成する姿の中にも多くのことをくみ取ることができます。
 高校の修学旅行で法隆寺五重塔を初めて見て魅了され、卒業後に法隆寺宮大工の故西岡常一棟梁の門を叩き、唯一の内弟子となられた小川三夫氏の話を聞く機会があり、そのとき取ったメモの中から子育てのヒントをくみ取って挙げてみましょう。
 氏は、1977年徒弟制を基礎とした寺社建築専門の建設会社「鵤(いかるが)工舎」を設立され、独自の徒弟制度で多くの弟子たちを育成し、「現代の名工」にも選ばれている方です。
 「弟子入りしてまずさせることは、飯炊きと掃除である。料理によってその子の段取りの良さや思いやり、掃除によって仕事に対する姿勢や性格がわかる。そこから、その弟子をどう育てるか考えていく。また、食事を作るにしても30分しか時間をやらない、追い込むことでどうすればよいか考える、これが段取りの訓練になる。」
 「教えてやることは親切なようで身につかないものである。学ぼうとする雰囲気があれば、自然と学んでいく。大切なことは、?素直な心で学ぶことである。また、その気にさせることが教師(教える側)の力である。」などです。
 現在で言うところのキャリア教育の原点のような素晴らしい魅力満載の子育ての「極意」が詰まっています。
 例えば私たち大人は、結果を急ぐあまり、子どもが作業中でも「何でそんなに遅いのか」とか「何でできないのか」と言いながら、大人のまねをしなさいと言わんばかりに、こんな風にするんだという方法や結果をすぐに与えていないでしょうか。
 褒めるべき時には褒め、子どもをやる気にさせれば、自然と次のステップに自ら進もうとする、そんな力を備えてやることこそが子育てだと教えておられるのだと思います。
 平成27年5月14日(木) [H27 bW]
     「PTA活動ということ」

 本校(全日制)のPTA総会が、5月9日(土)に開催され、本年度予算が承認され、いよいよさまざまなPTA活動が始まるといったところです。
 話は変わりますが、PTA活動というと以前勤務していた高校で担任をしていた時のクラスの役員さんのことを思い出します。
 その役員であるお母さんは、3人の子どもを育てられて最後の子どもを私のクラスで受け持ち、無事に親子ともども高校を卒業されました。
 あるときその役員さんが、近所の若いお母さんがいつもよりちょっとおめかしをして出かける場面に遭遇したので、「おはようございます。今日はどっかいっきゃっと」と聞かれると、相手のお母さんが、「今日はねー子どもの参観日よ」とおっしゃって、急に学校のことが思い出され、無性に自分も学校に行きたくなったということを聞きました。
 その役員さんから時折、「せっかく役員さんをするんだから楽しまないとねー」と言われ、「友だちが増えた」という懇親会や、「勉強になるから」とこういったPTAの行事にも積極的に参加されていたのを思い出しました。
 いつも思うのですが、保護者の方々が子どもを通じて学校と何らか関係することで、あるいはこの役員さんのように積極的に学校に関わったりして「良かった」「ためになった」という感想をもっていただくのが、学校の教職員の願いです。
 我々教職員は、日頃の学習、資格・検定の指導、部活動、進路指導、キャリア教育等々で生徒たちを鍛え、生徒の夢実現、進路実現のために奔走しているところでありまして、
これは保護者の方々の思いや願いと言った方向性と全く同じです。
 やはり、P(保護者)とT(教職員)ががっちり組んで子どもたちの教育に当たることは重要であり、PTA(Parents Teacher Association)活動の言わずもがなの原点なのです。
平成27年5月12日(火) [H27 bV]
     「うれしい出来事」

 先週本校代表アドレスに、近隣に住まわれておられる方から大変ありがたい内容の電子メールが届きましたので、その文面をご披露しておきます。
 「昨日、貴校の男子生徒の素晴らしい行いを目撃しました。
  彼は徒歩での下校の途中、歩道にごみ集積用のネットが広がっていました。
  すると彼はネットを歩道の端に片づけました。
  すると食品用発泡トレーが1個ネットの下から出てきました。
  彼はそれを手に取ると、トレーを持ったまま立ち去りました。
  たぶん家まで持ち帰ったのではないでしょうか。
  周りを見回すこともなく、ごく当たり前のような行動でした。
  ”宮崎工業高校の君” 素晴らしい。おじさんは見ていましたよ。」
といったものです。
 簡潔な表現の中から、情景がすぐ浮かんでまいります。
 公の場でこのような善き行いをした生徒のおかげで恐らくこの方も心がなごみ、生徒の「彼」がそこに居ただけでその場の空気が明るくそして輝いていたと思います。
 私自身も大変うれしい出来事として受け止めておりますし、何よりもこの生徒本人に感謝し褒めたたえたいです。
 また、この生徒の保護者の子育てにも敬服し、このような生徒が本校で学んでいること、育っていることにも誇りを持ちたいです。
 この内容に関しましては、先日開催された本校PTA総会の場で保護者の皆様にも紹介させていただきましたし、今後全校生徒の集まる場でも披露したいと考えています。