単位制通信制高校の仕組み
全国には100校以上の通信制高校があり、それぞれの学校で独特の仕組みを持っています。ほとんどの学校で共通していることは、以下の3つです。
通信制の仕組み 〜レポート、スクーリング、テスト〜
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*本校の場合、ほとんどの科目は半期(2学期制です)に6回提出しなければなりません。ほぼ2週間おきに提出期限が設けられています。 | |
*本校では、1年間に登録できる科目数は8科目ほどです。したがって、前期に8科目×6回=48通、後期に8科目×6回=48通、合計90通程度のレポートを提出することになります。 | |
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*文部科学省の規定で、国語は1単位につき1時間、理科4時間、体育5時間・・・・と決められています。 | |
*本校は協力校がありますので、最寄りの協力校でも出席できます。 | |
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*本校では30点未満の場合、再テストや課題提出などの方法で合格しないと単位が取れません。 |
単位制高校の仕組み 〜やり直しがきく学習システム〜
通信制高校の多くは「単位制」という単位の認定の仕組みを持っています。全日制の学校はほとんど「学年制」を採っていて、1学年で学ぶべき科目をすべて学んで(1学年で定められた単位をすべて修得して)から、2学年に進級します。1学年で学ぶべき科目を一部修得できなかったりした場合、留年(原級留置)となり、もう一度最初から(とれた科目も落とした科目も含めて)やり直さなければなりません。
一方「単位制」では修得した単位はすべて積み重ねられていきます。もし、ある科目の単位が修得できなかった場合、その科目だけをもう一度やり直しすればOKです。「学年制」と違って、すべてを最初からやり直す必要がありません。
分割認定制 〜学期の区分で単位を認定〜
本校通信制課程は、単位制の良さを最大限に利用し、さらに進んだ「分割認定制」を採用しています。これは、たとえば4単位の科目を、前期2単位と後期2単位に分けて単位を認定する仕組みです。このようにすると、国語総合(4単位)の内、後期分の2単位が修得できなかった場合でも、前期分は単位認定されます。したがってやり直すのは後期分だけでよいことになります。
通信制の特徴
通信制の良いところは、自分にあわせて自由に学習できるという点です。学校に拘束されることが非常に少ないので、仕事や育児を抱えた人も、自分の生活スタイルに合わせて学習できます。
一方で、通信制の厳しいところは、「自学自習」が中心だあるということです。また、自由な時間が多いので、厳しい「自己管理」ができないと、なかなか単位が取れないという点です。本校の生徒の単位修得率は全科目平均でおよそ65%です。1/3の生徒は単位が取れないことになります。
自学自習 〜本当の勉強はここにある〜
通信制では、レポートを提出しなければなりませんが、これは普通の学校の”宿題”とは全く違うものです。”宿題”は習ったところの復習や、次に習うことの予習のためのものですが、レポートは”自分で自分に授業する”ようなものです。習ってないことであっても、自分で教科書などを調べて、自分で理解していかなければなりません。
スクーリングも普通の学校の授業とは全く違うものです。これは、自分の学習方法や理解の仕方が間違っていないかを、適宜確認をするためのものです。だから、”授業”と違って、受身で教えてもらうのを待っていても何にもなりません。実際スクーリングでは参加する生徒も毎回違いますし、参加している生徒の進度もバラバラです。先生方は個別指導や、一人では理解しにくいことの説明をしたります。
レポートとスクーリングの両方あわせて、全日制や定時制の”授業”あたります。
厳しい自己管理
通信制で単位が取れない人の理由のほとんどは、「レポートを期限に提出しない。」、「規定のスクーリング回数に達しない。」のどちらかまたは両方です。 レポートが期限に遅れるのは、ほとんど”ギリギリまで取りかからない。”からです。、「2日もあればできる」 と思っていいたら、新聞や図書館で調べた資料を出さなければならなかったり、「簡単だ!」と思っていたら、教科書のどこを調べても同じような問題がなくて困ったり、しているようです。8科目ぐらい登録した人は、毎週4科目ぐらいのレポートを作成しなければなりません。ちょっと気を抜くと、すぐに溜まりはじめて大変な思いをします。
また、スクーリングも何日の何時間目に出席しなければならないのかを前もって計画を立てておく必要があります。学期の途中ぐらいになって、初めてスクーリング出た場合、残りのスクーリングにすべて出席しても最低面接時数を満たすのが不可能なことがあります。 自分のスケジュールをうまく調整して、「○●までにこのレポート」、「1ヵ月後のこの日には、この科目のスクーリング」という計画をたて、それを実行する力がないとなかなか単位が取れません。仕事が忙しかったからとか言っても、大部分の人達もそのような状況にありますので言い訳にはなりません。