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                                Vol.2  妻高等学校  白川孝重さん



白川さんは、化学肥料と農薬を使わずに家庭から出る生ゴミにEMボカシ(米ヌカとモミガラをEMで発酵させたもの)を混ぜ発酵させて堆肥を作り、それを使って野菜を栽培しています。そこでEMの取り組みについて伺いました。

 白川さんの似顔絵

  


 ■ 白川さんは、EMとつき合われて、どのくらいになるのですか?

 8年前、延岡第二高校(現延岡青朋高等学校)時に花壇に植える花の苗を軽トラで運んでいました。
 産業道路の美々津の田ノ平にある直売所に立ち寄った時、そこの方から講習会に誘われたことがきっかけです。
 
 最初は花づくりに使いましたが、色が鮮やかで長持ちをする花が出来ました。
 それから野菜作り、米のとぎ汁発酵液、ボカシ作り、生ゴミ堆肥作り、飲料用と 用途がどんどん拡がっていきました。(笑)



 EMとは

 「EM」とは開発者の琉球大学の比嘉照夫教授がつくられた造語で

ffective(有用な)
icroorganisms(微生物群)

 の頭文字から「EM]と呼ばれ、正式には「有用微生物群」ということになります。



解りやすく言えば。。。。

 毎日食べるご飯をそのまま放置しておくと腐ります。これは微生物の働きで腐ったもので化学作用でいえば酸化作用ということになります。 
 ところがこのご飯に麹菌を買ってきて混ぜ、温度を60〜65℃に保っておくと美味しい甘酒ができます。これは同じ微生物でも麹菌が働いてご飯を発酵させ甘酒ができたものです。こちらは化学作用でいうと抗酸化作用ということになります。





 微生物が働くと大豆では納豆菌が働いて美味しい納豆ができるし、また麹菌が働いて味噌、醤油ができる。お米からは酒ができるといったように人にとって有用な物ができます。また牛乳では乳酸菌が働いてヨーグルトができます。

 EMは数ある微生物の中でもこうした有用な働きをする微生物が80種類以上も含まれており、中でも乳酸菌、酵母菌、光合成菌が特に大事な働きをします。


 ■ 乳酸菌とか、酵母菌とかはよく聞く名前ですね


 乳酸菌は有機物を発酵させたり、悪玉菌の活動を押さえます。酵母菌も有機物を発酵させる力が強く、また菌そのものが栄養分のかたまりで作物にいい影響を与えます。


 ■ 腐らせずに、発酵させることが カギ なんですね〜


 光合成菌はEMの中心となる微生物で、汚染物質を無害化する働きがあります。

 微生物は地球上のいたるところに存在しています。空気中にも、土の中あるいは水の中にもとありとあらゆるところにいます。こうした微生物は大別すると善玉菌と呼ばれるものが1割、

 悪玉菌と呼ばれるものが1割で、あとの8割は日和見菌と呼ばれるものです。日和見菌はその名の通り、善玉菌が力を持てば一緒になっていい働きをするし、逆に悪玉菌の方が力を持てば悪玉菌と一緒になって悪い働きをするといった性質があります。





 ■ 指導者に左右される。。。。という訳ですね 笑



 ですからEMを使うと善玉菌はもちろん、日和見菌も一緒になっていい働きをして劇的に環境を変えることになります。



 ■ 例えば家庭や学校でEMを試してみようと思った時は、どのような物を購入したら良いのですか?


 代表的なものでは、EM1(イーエムワン)(農業用・土壌改良資材) があります。


 最も基本となる資材で、米のとぎ汁を発酵させたり、生ゴミを堆肥化するための米ぬかのボカシを作るのに使います。

 1本、1000cc入りで税込み2100円で購入することができますが、このまま使うのではなく、微生物なので100倍〜10000倍に殖やして使います。

 こうして殖やした液をEM活性液といいます。





 一般的には、まず100倍にします。ペットボトル1リットルの水に対し10ccのEM1とエサとなる糖蜜(サトウキビの絞りかす)を同じく10cc入れて発酵させます。 100倍にすれば1リットルは20円になり、さらにそれを100倍すれば20銭にまでコストは下がることになります。

 そのほか、上記のEM1は糖蜜(茶褐色)をエサとして作られるため色が茶褐色、環境改善として使うには色写りが心配だという声に対して、蜜柑の絞りかすをエサに作られているEMWというのもあります。

 成分・価格帯はEM1と同じです。



 ■ 思ったより安いものですね、 こういうのは、何処に行けば買えるのですか?

 県内には何カ所かあります。  講習会等で使ってみたいとのご要望があれば ご紹介いたします。






 人間(成人)の体の3分の2は水分です。新生児では5分の4です。1日に約2.5リットルの水が必要です。
 このうち、約0.5リットルは体内の新陳代謝によってつくられるため、約2リットルを体外から飲料水として、あるいは食べ物に含まれた水分として補給しなければなりません。



  生涯で      →    
 58,400g!!



 毎日2リットル、1年に730リットル、80年生きて58,400リットルもの水が必要となります。
 この大量の水がきれいか汚染されているかで健康が大きく左右されます。

 私たちの生活用水は河川の水を浄化して使っています。



 参考リンク : 水道水のしくみ(宮崎市上下水道局)



 今、私たちが水道水として利用している河川の汚染が問題となっています。

 平成4年川崎市の調査では河川の汚染源は生活系排水78.9%、工場・事業系排水18.3%、その他2.8%となっています。

 これは工場排水については公害防止の面から厳しい管理が義務づけられていますが、生活排水については規制もなく、水の使い放題流し放題というのが現実です。


  


 そこで米のとぎ汁をそのまま流すと汚染源になるが、米を研ぐときにそのまま流さずにペットボトルにとり、それでEM100倍液を作れば河川の浄化にも役立ち、できた100倍液は野菜の栽培や洗濯、部屋の掃除、さらにはペットの臭い消しなど、あらゆる方面に使え、一石二鳥どころか何鳥にも使えることになります。


 ■ 日南の堀川運河でも EMによる河川浄化の取り組みが実験されているようですね。
    ただ、そうなる前に、私たちが飲む水は、私たち自身が汚さないよう気を付けなければならないのですね。。



 家庭でも出来るEM肥料の作り方

 ここで、白川さんから各ご家庭でも簡単に出来るEM肥料の作り方を紹介していただきましょう。



 米ぬかでつくってみる。。。。。 米ぬかボカシ

 EMを米ぬか等に添加して発酵させたものをEMボカシといいます。これを生ごみの発酵資材として使うのです。

 台所の生ゴミ放っておけばすぐに悪臭を放つので、汚くてやっかいなものだと誰もが感じているはずです。こうした生ゴミもEMで発酵させれば優秀な堆肥になるのです。





 生ゴミ堆肥でつくった草花は色鮮やかで、通常の二倍も長持ちします。ナス、トマトは毎年同じところに作ると必ず連作障害を起こして立ち枯れ病にやられま。生ゴミ堆肥をたっぷり入れて作ったナスには連作障害がありません。





 また収量もびっくりするくらいたくさん穫れますし、こうしたナスは抗酸化作用が強く長期の保存が効きます。このようにしてやっかいな生ゴミが宝の山になるのです。


 


 有機栽培(農薬や化学肥料の使用をやめて3年以上経過した畑などで生産。もちろん栽培にあたってはまったく使用しない)の野菜は安全で安心して食べられるということで取り組んでみるとなかなかうまくいかなかったものです。

 ところがこの生ゴミ堆肥を使うと驚くほど順調に育ち収量も多いし、格段に美味しいものが穫れるのですよ。(笑)



      










 今回は、あまり知らなかった EM について、いろいろな話を伺うことができました。
 今後も白川さんには EMで出来るいろんなことにチャレンジして頂いて、EMの良さを私たちに教えて頂きたいですね。

 また、これを機会に、巷で叫ばれている地球温暖化、食育、環境リサイクルについて考えるきっかけとなれば、この趣味多彩も少しはお役に立たったのではないでしょうか(笑)

 まだまだ、白川さんも話し足りないようなのですが、紙面の都合で今回はこれまでとさせて頂きました。 もし興味をお持ちになられた方、 EMをちょっと試してみようかなと思われた方は、 「いつでもお教えしますよ」 との事でしたので連絡してみてはいかがでしょうか。


    本日はどうもありがとうございました。

 (文責 : 広報委員会ホームページ班) 


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