第16代校長 黒木  健

 「閉校に寄せて」

学校長

 宮崎県立小林商業高等学校は、昭和39年4月、総合制高等学校であった県立小林高等学校から分離独立し、小林商業高等学校(初代校長・海老原芳太郎先生)として 開校式を兼ねて4月10日に入学式を挙行しました。当時の高度経済成長期に県内の総合制高等学校が各地で分離独立し、開校した時代でした。
 開校当時は、生徒・職員がひたすら「学校づくり」に汗を流した様子が、卒業生から寄稿していただいた原稿や写真集から伺えました。創立10年を過ぎる頃には 部活動も盛んとなり文化部、体育部がひたすら頑張った様子が、当時の優勝旗・楯や表彰状の数から想像できます。その中でもひときわ目立ったのが、陸上競技、 ハンドボール女子、フェンシング部でした。また、文化部では英文・和文カナタイプ部、ワープロ部等の活躍がありました。30周年頃には、特に簿記部の活躍があり、 大学に進学し県内の商業の先生として活躍したり、税理士事務所に仕事に就いている方々がいます。その後、ハンドボール女子・新体操部・吹奏楽部・美術部が今日の 閉校年度まで部活動を盛り上げてくれました。
 また、開校以来、文部省(現文部科学省)の指定研究を県教育委員会より3度受けています。第1回目が昭和42年「教育課程・進路指導」(初代校長・海老原芳太郎先生)、 第2回目が昭和60年「環境緑化推進モデル校」(第7代校長・堀之内 修先生)です。この頃から、「花と緑の絶えない学校づくり」を目指して来ました。
 第3回目は、平成8年度に、第11代校長・久保浦在廣先生が文部省の「豊かな心を育む推進事業実践研究協力校」の研究指定を受け、学校改善に取り組んで来ました。 このような研究事業から生徒・職員が一丸となって取り組んできたことが、今日までの教育活動に繋がっていると察するところです。特に、現在まで受け継がれている 「朝の読書活動、ボランティア体験活動」は、県内でもいち早く取り組み、一躍県下の高等学校に浸透したものです。
 また、県の推進する特色ある学校づくりに向けて、第15代校長・久保良一先生は、本校のマニフェストに「質の高い学校づくり、質の高い生徒づくり」を学校、PTA、 地域を巻き込んで学校改革に取り組まれてきました。その結果ここ数年、国公私立大、短大進学率の増加や専門学校への進学には目を見張るものがありました。 就職も100%を達成しました。
 そして、今年の卒業生を最後に閉校を迎えることになりました。小林商業高等学校卒業生として、また締めくくり(閉校)の学年として、当時分離独立した生徒達が 抱いていた「夢と希望に満ち溢れた伸び伸びとした教育活動」を最後まで展開してくれました。生徒諸君をはじめ、今日まで学校を支えていただいた保護者・地域・教職員の 全ての方々に心から感謝いたします。
 このように、商業高校が落ち着いてきたころ、今度は西諸県地域の生徒減少という大変な時代を迎えました。そして、現在は西諸県地域の学校再編整備の中で、小林工業と、 小林商業が最後の卒業生を送り出そうとしています。新たな小林秀峰の商業科・経営情報科に生まれ変わろうとしています。
 最後に、閉校にあたり宮崎県教育委員会をはじめ、保護者・地域の方々・同窓会・歴代校長先生・旧職員・その他関係者の物心両面にわたるご支援とご協力に対して、心よりお礼申し上げ挨拶とします。

教育方針

「自主・創造・親愛」

 本県の教育基本方針・人権教育方針にもとづき、郷土及び国家社会の発展に寄与する有為な人材として、心身ともに調和のとれた、心豊かな人間の育成に努める。
そのために、「自主・創造・親愛」の三つの校訓のもと、次のような教育を推進する。

    (1) 全職員が共通理解のもと、あらゆる教育活動を通して、生徒自らが主体的に活動する教育をめざす。
    (2) 将来の商業人としての人材を育成するとともに、新しい文化を創造する力を育成する。
    (3) 生徒一人ひとりが互いに認めあい、理解しあうとともに自らも大切にする親愛の心を育む教育を目指す。

本校の教育目標

豊かな心を育み、生きる力を培う商業教育の推進

    1 基本的生活習慣の確立
    2 基礎学力の定着・向上
    3 高次の資格検定取得の推進
    4 豊かな学習環境づくりの推進
    5 100%の進路実現を目指す

閉校年度の教育目標

  1. 基本的生活習慣の確立

  2.  

    服装を正し、礼節を重んじ、心を開いて積極的に笑顔で挨拶し、何事にも自ら進んで取り組む参加の姿勢を育てる指導を目指し、生徒が自ら活動する学校づくりに努める。

  3. 豊かな心を育む指導

  4.  

    豊かな心を育む指導に努め、生涯にわたって優しさと思いやりに満ちた人生が送れる生徒の育成に努める。

  5. 基礎学力の定着と向上

  6.  

    基礎的な学力と教養を身につけ、豊かな生活設計で生涯を送れる力をつける指導に努める。

  7. 資格・検定の取得

  8.  

    資格・検定の取得を推進し、職業人として確固たる実力と自信を持って働ける生きる力をつける指導に努める。

  9. 人権教育の推進

  10.  

    人間尊重の教育をより深く推進し、真に基本的人権を尊重していく意志と実践力を持った人間の育成に努める。

  11. 豊かな学習環境づくり

  12.  

    生徒に豊かな感性を育てる精神風土づくりを目指して、学校内外の美化活動と花と緑の絶えない心の安らぎと豊かさを育む学習環境づくりに努める。

  13. 学校・家庭・地域社会の連携強化

  14.  

    保護者や地域住民との緊密な連携をもって、教育指導を推進し、地域社会に信頼される学校づくりに努める。

  15. 100%の進路実現

  16.  

    閉校を迎える今年、生徒の出口について早期に対策を講じていく。二者・三者面談ならびに現状分析を通して、実力養成とマナー指導・作文、小論文の継続的な指導を行い、生徒一人一人の進路実現に努める。


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