みやざきひむか学
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しいたけ栽培の苦労

 「半世紀も前のある春先のこと、一人の学生が卒業論文の調査のため九州大分の山村を訪れ、そこでそうぐうした光景は、切り並べられた木を前に、ひざまづき祈る老農夫と孫娘の悲痛な姿。

「なばよ出てくれ。おまえが出んば、おらが村を出ていかんばならんでな」

 貧しい山村農家にとって、しいたけ栽培は魅力とともに危険な賭けであった。
成功は少なく、失敗すれば一家離散も出る始末。だが、地道な炭焼きだけではまともに食えない。娘に着物も買ってやれぬ。借財して原木を買い、しいたけ胞子が飛来してこれに付着する偶然を祈るという。
 胸を打たれた青年!
しいたけが着実にできる方法はないのか、こんな論文ではあの人たちは救えない。よし!一生をしいたけの研究にささげよう」

(「森喜作物語ホームページ」より)

 この青年が、後にしいたけの純粋培養菌種駒を発明し、「きのこの慈父」と仰がれることになる群馬県出身の森喜作博士でした。


近代的な人工栽培方法の発見

 昭和10年(1935)、延岡市出身の北島君三博士は、それまでの自然にまかせたしいたけの栽培方法(ナタ目法)から、しいたけ菌糸の純粋培養による「純粋培養菌接種法」を考案して、近代的な人口栽培への転換を図り、その栽培方法は広く全国に普及していきました。

 さらに、昭和18年(1943) には、群馬県出身の森喜作博士が、「純粋培養菌種駒」を考案し、しいたけ栽培は大規模生産ができるようになりました。
 また、同年、諸塚村が全国に先駆けて、しいたけの種駒栽培をはじめ、このことから諸塚村は、「しいたけ発祥の地」と言われています。

原木栽培と菌床栽培

現在は原木栽培と菌床栽培の2種類で栽培されています。
<原木栽培>
写真 原木栽培のようす
 コナラやクヌギなどの原木にしいたけ菌(純粋培養された種駒)を植えつけ、管理は人工栽培や自然栽培で行います。発生は原木内の養分(無添加)でシイタケを発生させます。

 「原木となるクヌギやナラの木が少なくなってきているため、植林をしたり、他の町村から譲ってもらうなどしています。自分のところでとれたしいたけを食べた消費者から直接『おいしい』という声を聞けたときは本当にうれしい。」

(しいたけ栽培農家 山本茂さん)

<菌床栽培>
写真 菌床栽培のようす
 菌床栽培は、とても集約されたきのこ栽培で、短期間に狭(せま)い面積でたくさんのきのこがつくれます。
 ハウス等の施設で人工的に栽培されるので、一年を通して出荷ができ、価格が安定しています。
 軽作業であるため、高齢化(こうれいか)社会に適した仕事です。

 「台風がやってくるとビニールハウスを補強したり、補修したりと大変です。ふつうのしいたけがとれる春と秋以外の時期にも収穫できるので、比較的高い価格で出荷できます。」

(しいたけ栽培農家 杉本英雄さん)


しいたけの栽培(その1

しいたけの栽培(その2)
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