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こうじまの野生ザル
写真 こうじまとサル
 これは、海水で芋を洗って食べる幸島の野生ザルです。
 もちろん人間が教えたわけではありません。
宮崎にはこんな野生ザルがいるんですよ。


写真 こうじまのサル こうじま

 宮崎県の南に位置する串間市市木(いちき)にある無人島です。
この島は陸地から約300m、周囲3.5qの小さな島です。
 陸と島の間には海流があり、少しずつ砂を運んでくるため、年によっては、引き潮のとき島まで歩いて渡ることができます。しかしほとんど渡し船で渡ります。
 サルで有名な幸島には、タヌキや野ウサギ、コウモリもすんでいます。森の中にはウグイスやメジロなどたくさんの野鳥も見られ、海岸近くには、クロサギや、イソヒヨドリもすみつき、自然の動植物園となっています。

写真 こうじま
こうじまのサル

 現在、島には約100頭前後のサルが生息しています。種類としてはニホンザルの仲間に入ります。
 一番ボスを中心に群れ生活をしています。一番ボスの下にはそれを手助けする他のボスがいます。メスで一番力をもっているのは、メスガシラといいます。
 昭和9年に国の天然記念物に指定されました。
 幸島のサルたちは、芋を洗うだけでなく、海水で味付けまでするのです。どのようにしておぼえたのでしょう。


サルたちを支える人々

市木地区の人々と幸島のサルたち

サルイラスト 幸島のサルたちがいつの頃から島にすみ始めたのかは分かっていません。しかし、市木地区のみなさんは、昔から島にまつられている女神様の使者「わこさま」として、長い年月にわたってサルを大切に守り続けてきました。また、地区のみなさんは島に訪れた時に「わこさまのおみやげに!」 と家でとれたイモやムギを持って行ったと言われています。
 サルたちをうやまい、心から大切にする市木地区のみなさんの心は、幸島のサルたちを天然記念物にして守っていきたいという運動へと発展していきました。市木地区のみなさんが運動をはじめてから4年という年月の後、ついに天然記念物の指定を受けることができました。


京都大学の研究者のみなさん

 太平洋戦争が終わって間もなく、京都大学の研究者たちによって幸島のサルの研究が行われはじめました。当時の地区の人々は、研究のためにできるだけの協力をしていこうと努力し、サルのえさ代を出したり、島の中に研究者の宿泊施設も建設しました。
 地区の人々の協力を得て、研究者のみなさんは日夜サルたちの顔を覚え、家系(サルたちの家族の関係)図を作ってサルの観察を熱心に行いました。研究者のみなさんが長年にわたり、愛情と情熱をもって研究をおこなった結果、幸島のサルたちは、世界的にも注目される存在になったのです。

サルたちを自然に写真 サル

 以前は幸島にやって来る観光客がえさを与えていて、サルが食べ物をもらうことを覚えてしまい人間から食べ物をうばったり、弁当をぬすんだりすることが見られました。
 そこで、サルにえさを与えないように看板を立てたり、毎日三戸先生が島に行き、呼びかけをおこなった結果、えさを与える人がいなくなりました。そのため、サルたちはおとなしくなり人間に対してえさを求めることがなくなりました。今ではサルたちの生息状況を調べるときだけ研究者がムギをまいて呼び寄せます。ですから幸島のサルたちは、島にあるだけの自然の恵み(花の蜜・イヌマキの実、昆虫・貝・魚)だけで生活しています。現在サルたちは幸島の森で生きていけるだけの数しか生息していません(約100頭)。


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