地上部には品質の優れたたくさんの実をならせ、地下には病害に強い根を、というのは生産者の望みです。そこで生まれたのが、「接(つ)ぎ木(き)栽培」です。根の丈夫なカボチャの苗にきゅうりの苗を接ぎ木します。宮崎県の農家で生産されるきゅうりの9割以上が、この「接ぎ木栽培」で生産され今では、農薬を減らし、安全性を高める面からも、接ぎ木は欠くことのできない技術となっています。また、最近では、接ぎ木操作を自動化するロボットも開発されているのです。
宮崎では、宮崎ブランドを全国にアピールするために、「ワンタッチきゅうり」の生産をしています。普通のきゅうり栽培だと、収穫から選別・出荷までに2〜3回はきゅうりに触れることになり、きゅうりの傷む率が高いのです。 ワンタッチきゅうりの場合、ハウスで収穫する時に、直接箱につめるような工夫をして、1回きりしかきゅうりには触れません。そのため、きゅうりの表面に出ているトゲやイボが傷まずに新鮮なままで店頭に並ぶことになります。このようにして、消費者に少しでも喜んでもらえるような野菜作りに、宮崎県の農家は取り組んでいるのです。