海外研修に出発するみんなへ
昨年の一期生には、『自分の視点を持つ』ということを言いました。それと同じ言葉を、二期生の君たちにも送りたいと思います。
例えば、大英博物館にあるロゼッタストーンを見て、何時間もその前に立ち尽くす人になりなさい。例えば、ニュートンのりんごの木を見て、何時間もその周りを歩ける人になりなさい。人間は知性と思考の動物です。しかし、見かけではどのくらいの知性を持っているかは、なかなか推し量れません。ロゼッタストーンが、ただのわけの分からない模様の刻まれた石にしか見えない人もたくさんいるわけです。
エジプトの古代文明発見の扉を開いた、あのシャンポリオンが解読した文字が刻まれた石の前にいる不思議さ、人類が初めて重力を発見したその場所にいるという不思議さ、これらを共感できるのは、学問を通じて獲得した知性があるからです。
自分の視点を持つとは、自分にしか見えない知性の目を持つことです。それがあってはじめて、人はコミュニケーションができるのです。
おそらく、団長の西先生は、休日はバンベリーの校外の森に出向き、めずらしいカタツムリを見つけていることでしょう。それは世界のだれも知らないカタツムリかもしれません。そして、その小さな生命を介して、多くのイギリスの友人をつくっているかもしれません。それができるのは、彼が、宮崎を代表するカタツムリの研究者だからです。
英語しか話せない世界の中で、きっと君たちは多くの貴重な経験をするでしょう。でも、その経験の深さは、君の興味の深さに比例するのだろうと思うのです。君たち一人一人に、それぞれの忘れられない思い出ができる旅行になることを願っています。
1.目 的
(1)テーマ研究と語学研修
生徒一人一人が、比較文化的な各自の研究テーマを通してイギリスを体験的に学び、より深い異文化理解と、自国の文化を理解する学習の場とします。また、生きた英語を体験的に学び、国際経験を積むことで、より専門的な分野への視野を広めます。
(2)異文化体験
一人一家庭のホームステイや交流校での授業参加や研究発表、フィールド調査を通して得られる異文化体験を通して、知的な経験とともに、人間同士のコミュニケーションに共通する思いやりや誠意、礼儀といった人のあり方を学ぶ機会とします。
2.期 間 平成18年9月15日(金)〜9月30日(土)16日間
研修地 イギリス 北オックスフォード州 バンベリー
交流校 ワーリナースクール
3.参加生徒数
文科総合科 2年生 41名(在籍数41名 男子12名 女子29名)
4.引率者
引率責任者(団長) 西邦雄 教頭
引率教師 文科総合科 2年 正担任 久保博史
文科総合科 2年 副担任 那須雅博